2012年6月24日日曜日

納品前のオイル塗りの様子です。
塗った直後なのでツヤが見えていますが、これから拭き取りして数日乾燥させれば落ち着いた木味に変わっていく予定です。
納品日が迫ってますのでそれまでに完全乾燥させたいところですが、この梅雨模様ではちょっと心配です。

オイル塗装の乾燥のしくみというのは、オイルの分子が空気中の酸素と結合して酸化するところから始まり、それからゆっくりと分子同士が酸素を間にはさんで引っ付くことで固化=乾燥するというもの。これを難しい言葉で「重合」と言うんだそうですが、要は酸素が大事ということです。
ですから表面は酸素がいっぱいあるんで早く固まりますが、油膜の下の方の部分は酸素が届きにくいので乾燥が遅い。時間差があるということです。したがって厚塗り禁物です。

オイル塗装の利点の一つが、ご家庭でお客様ご自身でメンテナンスできる点です。やり方もいたって簡単なんですが一つ注意点がありまして、塗ることより拭き取ることの方に意識の重点を置いて下さいということです。塗り=1、拭き取り=9の割合ですね。
オイル塗装を選択されるお客様というのは家具に愛情を注がれる方です。木味の良さを解かっているがゆえに、つい塗り過ぎていつまでもベタつくということを聞いたことがあります。売る側の人間としてはとてもありがたいお話なのですが、そこのところちょっとだけ「乾燥のしくみ」を頭の隅においてお手入れして下さればありがたく思います。

この食卓の天板は一つ一つ大きさの違うウォールナットのブロックをモザイク状にジョイントすることで一種のグラデーション効果を意図したものです。なかに写真右端のようにおおきく白太がかんでいることもありますが、これも材料の有効利用+面白さという感じで見てください。