2012年9月21日金曜日

前回ちょこっとご紹介した伯耆町の藤原建築工務店さんの完成見学会。
米子地区住宅展示場&ショウルームスタンプラリーに併せて明日22日、23日開催されます。
20日の日本海新聞の広告を見てましたらスタンプラリーの賞品はロボット掃除機、ニンテンドーゲーム機、USJペアチケット、その他いろいろだそうです。
スタンプが2つ集まれば「森のくまさん」の石窯で焼く出来立てパン、おいしそうですね。
よろしかったらお立ち寄り下さい。
場所は皆生温泉病院正門前です。
写真は1Fリビング。見せ場は2Fのバルコニーだそうですのでお見逃しなく。




2012年9月13日木曜日

最近、メーカーさんと話す機会があって聞いた話なのですが、市場に出る真樺(マカンバ)材の質が低下しているそうで、安定した材のグレードを維持しようと思ったら明色系の材料ではバーチ材のほうが具合が良いとのこと。
で、バーチ材の使い心地の感想を聞くと「とにかく堅い」んだそうです。
こちらのメーカーでは節有バーチは使ってないのですがそれでも刃物の切れ止みが早いらしい。
なかなか難儀な材料だと聞きました。

写真はバーチ材のデスクとキャビネット。
デスクの大きさは幅120センチ×奥行45センチ×高70センチ。
隣に置いたキャビネットは幅50センチ。
置き鏡は枠を含めて40センチ角です。
置き鏡の脚は取り外しが出来、壁掛けミラーとしてデスクの前の壁にも取り付け可能なんですが、残念ながらこちらのお宅は賃貸アパート。
うかつに釘は打てません。
どちらかと言えば壁掛けにしたほうがあっさりと納まりが良いのですが、ドレッサー代わりにこちらのデスクを使われるお客様は大抵、置き鏡としてご使用されます。
大きさの割りに軽いミラーですので、お化粧の際にはひょいと手元に引き寄せたほうが使い勝手が良い、ということをお聞きしました。

ところで最近のアパートの内装は個性的になっていますね。
うっすらと木目を残した白色塗料の拭き取り仕上げ(風?)の壁が、夏の陽ざしをとても柔らかなものに変えてとても素敵でした。
こちらのアパートはABCDと4棟ありましたので、それぞれが別の内装になってたら選ぶ方としては面白いかも、なんてお話ししましたが、これだけ供給過多の現状が続くと笑い話とばかり言ってられなくなるのかもしれませんね。




2012年9月12日水曜日

前回の続き。
節ありウォールナット材のTVボード、189センチ幅、窓開きタイプです。
こちらのお客様は窓開きタイプにするかどうかでかなり迷われました。
一応、頻繁にリモコンを使用されるご予定です。
サイズが前回写真のものより一回り大きい前扉ということもあって、開閉がより大変になるのをご心配されてました。
ソフトダウンステイという重量扉用の開閉補助金具が組み込んでありますが、それでも重いと感じる人には重い。
こういうご心配をされるお客様には窓なしタイプは不向きなようですね。
窓開きタイプをお勧めしました。

キャビネットタイプのTVボードの機能性は、AV機器その他の合理的な収納性能だと思います。
赤外線が通らない、リモコンが使えないなんてのは問題外でしょう。
それでもお客様が悩まれた理由は、「機能性」と相反する「風合い」のことがあると思います。
機能性と風合い。
あちら立てればこちら立たずのケース。
機能と風合いをより高いレベルで両立させる商品なら即、問題解決なのでしょうが、こちらの商品は問題解決にならない未完成なところが、逆に色々なことを考えさせられて面白さを感じさせます。


2012年9月7日金曜日

いつもお世話になっている伯耆町の藤原建築工務店さんが完成見学会を開催されます。
9月22日(土)、23日(日)。
場所は皆生です。
ハウスメーカー数社と組んでのスタンプラリー形式のイベントだそうですので、いずれ新聞等に告知広告が入ると思いますが、気になる方は藤原さんのホームページをチェックしてみて下さい。
場所の詳細が載せられると思います。(現時点ではまだ出てないようです )

写真は昨年暮れの完成見学会の際のもの。
正面に見えるのは節ありウォールナットのTVボード。
前面の無垢板のフラップ扉は赤外線を通しませんので、中にAV機器を収納する場合、リモコン操作は毎回扉を開ける必要があります。
面倒くさいと思われる方用に一部ガラス窓を開けたタイプもありますが、意外にもこちらの方が人気。
木が好きというお客様は不便をモノともしない。
おそるべし。
いや、ありがたし。

次回、窓開きタイプをご紹介したいと思います。


以前ご紹介した北海道民芸家具の真樺(マカバ)材の食卓。
再塗装後の写真です。
マカバ特有の斑(ふ)がたくさん出ていましたがこの写真ではわかりませんね。

斑(ふ)というのは柾目板の木目に対し直角方向に顕れる模様で樫やオーク材によく見受けられます。
虎の体側にある黒い線を思い浮かべると分かりやすいかもしれません。
豪快な木味になりますが、今頃は逆に敬遠される場合もあります。

今、「斑(ふ)」と書きましたがマカバの場合、斑(ふ)とは言わないのかもしれません。
栃の木やメープル材にある「照り(てり)」のようにも見えます。
照り(てり)は波のように連続して光を反射する模様のことで、高級感があります。

斑(ふ)にしても照り(てり)にしても木の成長痕である年輪と違って繊維の並び方みたいなものですから顕れたり顕れなかったりします。
昔の人は顕れる方を良しとしてきました。
今はどうなんでしょう。

当店は木の家具のお店を看板にしています。
お客様の大半は木の家具の好きな方だと思います。
そういった中で、木の美的側面である杢や模様、色味の良し悪しを言うことに自制的な若いお客様が増えてきたのは確かです。
木そのものが少なくなっているという環境が大きく影響しているんだろうと想像します。
ただそれにも増して、木に対する感性が従来と変わりつつあるのかなという気はしています。
いろんなことを含めてそれは良い変化なんじゃないかと今のところは思っています。



2012年9月1日土曜日

写真はリビングダイニング兼用和風チェア。
高さを低めに設定したメープルの大テーブルにセッティングします。
こちらのチェアもメープルですがこれだけ塗りつぶすとほとんど分かりません。
向かって右が張替前、左が張替後です。
よくぞここまでご使用になられたか、っていうぐらいのボロボロぶりですが上から座布団でも置いとけば分かりません。
それに私自身、人のことを言えた義理ではありません。
張り布のボロボロぶりに反して、木枠のフレームはしっかりとしていましたので、張替さえしていけばまだまだこの先使えそうです。

仕事柄ホームセンターへ行く機会が多いのですが、最近のホームセンターのペット関連の売り場はすごいですね。
ドッグフード、キャットフードが山のように積まれているのはまだ分かります。
ペット用衣類や住居、健康関連グッズやビタミンサプリもなんとなく分かります。
ふくろうの餌になるひよこやマウスの冷凍品まで置いてあるのにはびっくりしました。
広くて深い。
世は挙げてペットブームだということは聞いてましたがここまでとは思いませんでした。

私はペットを飼ってないのでよくわからないのですが、犬が家具を齧って困ると言う話を聞いたりしますし、反面まったく齧ったりすることはないと言う方もおられます。新築のお部屋に犬と一緒にご入居される方は結構いらっしゃいます。
ちなみに写真の椅子のお客様のお部屋には、きれいな毛足の長い小型のワンちゃんが3匹いて吼えられまくりましたが、お話を聞くとどうも椅子とは関係ないようで、これなら直しがいがあるというものですね。



以前ちょっとご紹介した月刊誌「室内」。
今から6年ほど前に廃刊となりました。
写真は通算615号、2006年3月の最終号です。
半世紀に渡ってインテリアから建築まで幅広い情報と知識を提供し続けてくれました。
ネットの普及していない時代、これだけの内容を持った雑誌はちょっと他に無かったんじゃないでしょうか。
なかでも嬉しかったのが月間スケジュール。
国内外の有名無名のアーティストの個展からフランスベッドの展示即売会まで、全国で開かれるイベントの模様が一目でわかるようになってとても便利でした。
いや、実際そのイベントの数々に足を運んだことはありませんでしたので、見て楽しい予定表といった感じかもしれません。
廃刊は本当に残念です。
「室内」の編集兼発行人はもう亡くなられたコラムニスト山本夏彦さんです。
亡くなられて以降も数年続いたようですが上記の通り廃刊となりました。
廃刊となった理由はよくわかりません。

今ちょっと、正確には思い出せませんが山本夏彦さんはこのようなことを言っておられました。
私の目の黒いうちはこの雑誌は私のものだ、というようなことです。
個人で経営する出版社が発刊する個人色の強い雑誌、というふうに私は感じました。
個人商店である当店としては、ついそちらに受け取ってしまいました 。
違っているかもしれません。
実際、「室内」は法人格である株式会社工作社が発刊し、誌面も終わりの方の2ページ山本氏の文章「日常茶飯事」以外に夏彦色は感じられません。
年々、写真を多用したグラビア雑誌化し、タイトルも当たり障りのないこと他と変わりありません。
そういえば「室内」の実質的な編集長であった岡田紘史さんが辞められて以降、山本夏彦さんが陣頭に立たれた時期がありました。
巻頭特集のタイトルが「ハウスメーカーに騙されるな」。
久々に「室内」らしい記事に反響も大きかったようです。
「室内」らしさ、が夏彦らしさだとしたら副編集長の岡田さんも色々気苦労があったかな、と想像します。
文庫本の解説ページの収録をひたすら拒否していた山本夏彦さんでしたが、亡くなられてからの新版にはこの岡田さんが書かれた解説があるそうです。
興味深いですね。
岡田紘史さんは工作社在籍当時は家具業界の集まりなどで講演されることもありましたが、辞められてからは美大の先生になって本を書いたり、もっと別の集まりでの講演とか、縁遠くなってその名前もしばらく忘れていました。
最近ひょっと見た建築家のブログでお亡くなりになっていたことを知りました。
ちょっと懐かしくなってこの稿書きました。