2011年5月14日土曜日


写真は食卓の天板です。
向こうに見えるのは赤ちゃん用の食器で、まだお若いお客様のお宅で撮影させていただきました。
こちらの食卓は当店が納めたものではありません。
お客様がご結婚の際、ご友人の建具職人さんがお祝いとして作って下さったものだそうです。
このお話を聞いてとても嬉しく思いましたのでご紹介いたします。

何の木か不明でしたが濃色に着色された木枠に計21枚のさまざまな樹種の板がはめ込まれた建具造作の天板。お客様のお話では10種類の木が使われているそうです。
かえで、けやき、黒柿、 せん、ひのき、なら・・・etc
お客様から教えていただきましたがすぐ忘れてしまいます。
花の名前を知ることでより美しく感じるように、木の名前を知ることでより一層木に親しみを感じることができます。

このお若いご夫婦+赤ちゃんにとって、きっとかけがえの無い大切な思い出の家具になると思います。

写真のソファは3年前に納品した際撮影したものですが、今でもお客様の人気が高い当店のロング
セラー商品です。当店が扱う商品は日本製が多いせいか、割りと「息の長い」商品が多く中には26年間売れ続けている食堂椅子もあります。
長らくお客様の支持を得られるデザインの秘訣については、またいつか書いてみたいと思います。

こちらのソファの特徴は幅にあります。
左肘2人掛け+右肘変形カウチで約3メートル。大抵お部屋いっぱいになります。
小サイズのアイテムもありますので組み合わせ次第では幅を狭くすることも出来ますが、売れるパターンは上記の組み合わせが大半です。理由があるんでしょうね。

ボトムはホワイト系の合成皮革、クッション部分はベージュ系の布地です。クッション部分はカバーリングでクリーニング可、中身のウレタンがへたったら交換できます。
ボトム、クッションともに張布を選べます。
ちなみに当店の現在の展示はボトムにグレー系の布、クッションにアイボリー系の布のツートンにしています。
基本のデザインがしっかりとしていて、張り布でバリエーションを採れるところにロングセラーの一因があるような気がします。


写真はスペインの地中海沿いの町ロルカ市で作られる「JARAPA」というラグカーペットです。
商品のタグに次の説明があります。

「JARAPA]は、綿を中心とするリサイクル繊維、繊維業の生産過程で出てくる端切れを利用し、
  12世紀の頃から変わることの無い伝統的な製造方法で作られます。
地中海特有の乾いた空気が生み出す独特の感性、色使いはお部屋の表情を豊かなものに
してくれることと思います。

その時その時の材料、繊維の縮れ具合も違えば発色もさまざま。
加えて織り子さんは地中海気質満点。
この二つの組み合わせが紡ぎだすちょっと無頼な風合いが何故かお客様に喜ばれています。
まさにハンドメイドの世界。ふたつとして同じものはありません。
というか作れないんじゃないかと思っています。

写真撮影は雨の日で少し暗く写っていますが、山桜の床板の端正な木肌にグリーンがよく映えて
いました。素足に踏む感触はとても素敵でしょうね。

2011年5月8日日曜日


納品の際、写真が撮れませんでしたのでこれは店内で事前に写したものです。
ご紹介するのはテーブルではなく椅子の方です。
見ての通りアームの端から背もたれ、そしてまたアームの端に続くフォルムがポイントです。
支える4本の脚は太さを変えることなく、わずかに四方に転ばせた凝り過ぎないデザイン。
材料はナラ材。硬くて暴れる木です。
そのナラ材の厚板を曲げて、削り出してこの形になります。

こちらの工場は飛騨高山にあります。何十年来のおつきあいになりますが、厚い板、それも信じられないぐらい厚い板を曲げる技術は目を瞠るものがあります。しかもその技術が年を追うごとに凄くなってるような気がします。

ちなみにこちらの椅子はある建築家のお宅へ納品しました。
下世話な事ながら、家を建てようと思っている方にとって、建築家ご自身のお住まいがどうなっているかは興味津々の事と思います。役得でした。




写真はモンキーポッドの一枚板です。
モンキーポッドという木は、一般に心材(中央部分)が真っ黒、
辺材(端部分)が白、のコントラストが特徴です。
そのため、派手やかで強烈なイメージを持たれる方が多いと思いますが、
探せば、写真のように、柔らかで穏やかな色調のものもあります。

この天板に4本の脚を付けて高さ36cmの座卓に作ります。
若いお客様でしたので、地味になり過ぎず、よい感じでお部屋にマッチしたと思います。
イメージに合う天板を探す間、気長にお待ち下さいましてありがとうございました。


長さ150cm 幅70から80cm 厚み5cm
徳島県の工場で製材加工してもらいました。

こちらの写真はお客様のマンションの和室を撮影したものです。
ベランダへ向かう掃き出しの窓が南に面しており
日中は障子越に差し込む光がとても快適なお部屋ですが
初夏には、少し日差しが強く感じられることもあって
のれんを掛けることになりました。

当店で扱っていますのれんは、小千谷縮布(ちぢみ)で有名な
新潟県小千谷の工場で作られたのれんです。
2004年の中越地震の被害を受け一時は廃業を考えたそうですが
たとえ小さくとも伝統の灯りを消すわけにはいかないと決意され
今でも作り続けておられます。

写真は「連のれん」といって幅方向に継ぎ足していくタイプののれんです。
綿と麻を織り上げて、柿渋で濃淡に染めてあります。
柿渋染めはお客様のご希望です。
お客様から「お日さまが染める」という言葉を聞きました。
モノに込める思いというのは、何かいいですね。