2013年11月18日月曜日

先頃、東京ビッグサイトで「ジョージナカシマの家具デザイン~その軌跡をたどる」という催しがありまして、初めてジョージナカシマの家具を見ることが出来ました。
展示品はもちろん美術品扱いですので、触ることも座ることも厳禁です。
ジョイント部分の仕口がどうなってるんだろうと椅子の底に頭を突っ込むなんて許される雰囲気ではありませんでした。
木の家具なんてモノはじっくり眺めて、じっくり触ってこそ価値がわかります。
そしてそれはジョージナカシマの家具を使っている人にだけ許される特権なんでしょうね。
「古今研究所」というホームページのなかでラウンジアームチェア(左から2番目の椅子)のインプレッションが語られていますが、それこそ日々、手に触れ座っている人でないと気づかないようなことまで書かれています。
ご興味のある方はご覧になってみてはいかがでしょう。
モノづくりにおいて、言葉にならない部分を言葉で表現できる稀有の能力を持った方だと思います。

2013年11月3日日曜日


総桐タンスの洗い直し修理後の写真です。
修理前はこちらのリンクをご覧下さい。

修理仕事と言うのは扉の丁番の交換とか木部の直しとか色々あるんですが、そういうちょこまかした機能の回復的なものよりも、ソファの張替えとか桐タンスの洗い直しのように、外観がスパッと変わるほうがお客様としては感動が大きいようですね。
こちらのお客様も非常に喜ばれて、この後もう一棹、洗い直しを承りました。

もちろんちょこまかとした修理と違って、古いものを新たに再生するには、かなりな手間と費用がかかります。
写真の桐タンスの修理を依頼した工房の職人さんは、「直すからにはきちんと直さないと意味が無い」という昔かたぎな考えなんで、それを理解して下さるお客様もまたいらっしゃるということなんですね。

商売的にはお客様のご予算に合わせたフレキシブルな対応をしてくれてもいいんじゃないかなと思ったりしますが、「昔かたぎいうもんは、誰かが守っていかなくちゃならんもんだ」っていう言葉の前では一言もありません。