2012年6月9日土曜日

写真は東亜林業(株)の「3号椅子」。
古い家具屋さんならピンと来るネーミングですね。
グリーンの合成皮革の方がオリジナルで、オレンジの布張りはこの度張り替えたものです。
東亜林業のホームページを見るとこの椅子は、昭和40年代の大ヒット商品だそうです。
ということは、もしかしたら40年近く経っている可能性もあるわけですがその割に木部も張地もほとんど傷んでいない良好な状態でした。
この「3号椅子」はモダンなシルエットを出す為に背も座もごく薄いクッション材しか使っていません。したがってさほど座り心地が良いということにはなりませんが、おかげで「へたり」が少ない。
40年経っても製造当時そのままの「かっちり」とした見た目でした。
張り素材の合成皮革が伸縮性のほとんどないタイプだったことも影響しているんでしょう。
薄くて硬めのクッション、伸縮しない合皮、それをぱっつんぱっつんに張り込んだ座面の座り心地というのはちょっとプラスティックな印象で、この当時のモダン感覚を表現するのにふさわしいやり方だったのかもしれません。
ちなみにこの「3号椅子」、現在「サンディ」と言う名前でリプロダクトされています。