2012年6月2日土曜日

ソープフィニッシュ続き。

写真は端材の寄せ集めで作ったスツールの座面。もともとクリアウレタンで仕上げてあったが気に入らず、剥がしてソープで再仕上げしました。
ソープフィニッシュというのは石鹸を木に塗る仕上げ方法です。石鹸を塗って乾燥させて残った脂肪、油分の膜が水気や汚れをはじくというものだそうです。
写真の座面、1番白く見える部分の材料はメープルですが、ソープフィニッシュの特徴である白を白のままに見せるということが良くわかる例になっています。ちなみに2番目に白く見える部分の材料はナラですがその効果はほぼありません。その他の材料、ウォールナットやブラックチェリーなどの濃色材に至ってはむしろシラケた仕上がりになりました。

白木を白く見せるだけなら白色顔料などの混ぜ物を使うほうが、より微妙な色表現が可能ですし耐汚染性は比べ物になりません。
あえてソープフィニッシュにこだわる、というのはよりナチュラルな感覚を求めるということなんでしょう。
前回ご紹介した当店エントランスのパインの取っ手。人の手の触るところであり、直射日光にもよくさらされますので頻繁にお手入れが必要です。面倒だなと思うこともありますがメンテ後の手触りの良さは他の塗装にはない独特なものです。俗に「木の温かみ」と言いますがまさしくそれを感じます。

当店で使っているソープは、まるは油脂化学さんの「WENNEX」。リキッドタイプで使いやすく乾燥も速いです。朝ちょっと早めに塗っておけば開店時間までに乾いてくれますし後始末も簡単です。
ソープフィニッシュと言うと「マルセイユ石鹸」を思い浮かべますが、あのでっかいカステラみたいなサイズに恐れをなして使う気になれませんでした。が、それも昔の話。北の住まい設計社さんのホームページを見てたらなんと小袋入りのフレークタイプが出てました。固形のものより濃厚だそうで、これは使いやすそうですね。