2012年3月31日土曜日


今井書店さん米子錦町店内 青杏+となりの多目的スペースにて、「木の椅子」展を開催しています。
期間は4月8日(日)までです。ご来場お待ちしております。

写真は昨日の夕方、搬入設営の様子です。
椅子の並び順で悪戦苦闘すること1時間。
ようやく様(サマ)になったかとおもいきや、一推しの椅子の見え方が悪いだのなんだので更に30分。
何とか見られる形になりましたが椅子の並べ替えは当分続きそうです。

今回、過去の折込チラシに使った写真をパネルにして10枚ほど持ってきましたので、それもお楽しみ下さい。
ほとんどが店内の様子を撮影したものですが、中に2枚ほど淀江の海岸で撮影したものがあります。
当店のホームページのトップ画面でも使ってますが、青い空と白い雲を背景にシェルフの棚の間から子供が顔をのぞかせてお母さんと見つめ合うほほえましい写真です。
ちょっぴりいたずらな子供とそれをやさしく見守るお母さんというコンセプトどおりの写真が撮れて大成功と思ったのも束の間、子供のいたずらが過ぎて次の商品の撮影に取り掛かる頃には青空が消えてしまいました。
椅子展会場のパネル写真で一枚だけ縦の写真がそれです。
広告でいつもお世話になってるオアシス渡辺さん苦心の作、「合成青空」。いつかブログでアップしたいと思います。

もともと「ダカフェ日記」風な「家族と家具」、みたいな感じにしたかったのですが撮影可能な部屋が見つけられませんでした。それならいっそ野外でという話になり海岸での撮影に至ったわけですが天気ばかりはしょうがありません。
ご協力頂いたお母さん子供さんありがとうございました。

2012年3月26日月曜日

このブログで過去ご紹介してきた家具は、基本的にオイル仕上げや蜜ろうワックス仕上げが多かったのですが、こちらの写真は珍しくウレタン塗装のテーブルです。
材はウォールナット。
天板用に木取りされた幅の違う8枚の板を接(は)ぎ合わせて作ってあります。

はぎ合せ枚数は少ないほど板幅が広くなり木の表情が現れて面白いです。
ただ少ない場合、板の幅をある程度揃えないと見栄えが悪いし、材の欠点である白太や死節等が絡む確率もその分増えますので高価になります。

はぎ枚数6~8枚は一般的だと思いますがこちらのテーブルは板幅を揃えないところがミソ。
板幅を揃えないのは、材のグレードを落としながらも材のいいとこ取りをする為です。
写真をご覧になってお分かりの通り天板のはぎ合わせに大きな欠点は見られません。
ちなみにこちらのテーブルはベトナム製です。
ベトナムの職工さんのお仕事です。

量産家具の製造というと、とかく規格的機械的作業に思われがちですが、「木」という素材を相手にしている限り、人の眼、人の手に関わる部分はどうしても製品に現れてきます。そこを見つめながら色々想像を働かせるのもおもしろいですね。

次回、塗装についてご紹介したいと思います。


お知らせです。

3月31日(土)~4月8日(日)の九日間

今井書店さん 米子錦町店内 青杏+隣の多目的スペースにて

「暮らしに寄り添う木の椅子展」と題して椅子展を開催します。

メープル、チェリー、ウォールナットなど色んな木で作られた

メイドインジャパンの椅子。 仕上げは植物オイルや蜜ろうを

使って木の魅力を充分に引き出しています。

見るだけでなく、実際に手に触れて座って頂くことが出来ます。

ぜひお越し下さい。








2012年3月22日木曜日

お知らせです。

3月31日(土)~4月8日(日)の九日間

今井書店さん 米子錦町店内 青杏+隣の多目的スペースにて

「暮らしに寄り添う木の椅子展」と題して椅子展を開催します。

メープル、チェリー、ウォールナットなど色んな木で作られた

メイドインジャパンの椅子。 仕上げは植物オイルや蜜ろうを

使って木の魅力を充分に引き出しています。

見るだけでなく、実際に手に触れて座って頂くことが出来ます。

ぜひお越し下さい。




過去ご紹介することの多かった宮崎椅子製作所。
その代表である宮崎勝弘さんとお話させて頂いた際の感想を少しばかり書いてみたいと思います。

大手家具メーカーの下請けをしていた宮崎椅子は上から多くの無理難題を押し付けられた末、切られてしまうという 経験をしています。
悩んだ宮崎社長はある決断を下します。
下請けからの脱皮。
自社オリジナル製品の生産をスタート。
そして外部デザイナーとの運命的な出会い。
試行錯誤の結果、「グッドデザイン賞」連続受賞の現在の位置を確立。
という「プロジェクトX」のようなストーリーに至ります。
お話をさせて頂いた当時は既にPEPEチェアが売れ始めている頃だったにもかかわらず話に出るのは下請け時代の苦労話でした。
それは成功したから言える苦労話、といった嫌味な感じとはちょっと違っていました。
無理難題を押し付けられたからこそ、次に向かうための土台づくりが出来た、というふうに私には聞こえました。
オリジナル製作のためのゼロからスタートするものづくりや、多品種少量生産の技量の向上などにそれは表れていると思います。

外部デザイナーの村澤一晃さん、小泉誠さんとの出会いは偶然であったにしろ、それに応えることができたのは宮崎椅子製作所の「出来ること」の多さ、深さだったんではないでしょうか。

写真は辻工務店さん完成見学会の様子。
暗くてごめんなさい。

米子市の辻工務店さんがモデルハウスを建てられましたのでご紹介します。
辻工務店さんの会社は米子にあるのですが社長さんは当店と同じ淀江町ご出身です。
辻さんのホームページはこちら。
http://www.tsuji-koumuten.co.jp/

ホームページをご覧になって分かるとおり 、大黒柱のある家からデザイナーズ住宅まで何でも出来る間口の広さが辻工務店さんにはあります。
出来ることが多いというのは憧れますね。
当店も家具屋として出来ることの引き出しをたくさん持っていたいなと思いますが、思うだけでなかなか前へ進めません。
当店の品揃えは価格もテイストもかなり絞ってありますので、ツボにはまる人には良いのですがそうでない場合がきつい。
悩ましいところです。

2012年3月16日金曜日

お部屋が手狭になった為、古くなった為、壊れて使えなくなった為。理由は様々でしょうが不要になった家具は一様に捨て去られます。

だけどそれが例えば結婚のときに買った思い出の品であるとかしたら、なかなか捨てるに忍びないでしょう。
大抵のお宅にそういった品がひとつやふたつはあると思います。

こちらもそんな品物のひとつ。
30年前のご結婚の際にお求めになられた鏡台ですが、何でも良いから何か小さなものに作り変えて下さいとのお客様のご希望でした。

まっすぐな目通りの良いチークの柾目が使われていましたが、如何せん鏡台というものにはムクの部分が少なく、結局鏡と引き出しを利用して木枠付のミラースタンド2個と写真のオープンボックスが出来上がりました。

お見積もりは決して安くはなかったのですが、お客様としては何かしらの思いがあったんでしょうね。

たまにですがこんな仕事もありましたのでご紹介しました。
当店では初となるオイルレザー張りのチェアが入荷しましたのでご紹介します。

お茶やワイン、柿などの「渋み」は実は味覚ではなくて痛覚なんだそうです。
「渋み」の元、タンニンが舌のたんぱく質と結合して固まるその痛みが「渋み」として感じられるとのこと。なんとなく分かるような気がします。
で、その原理を利用したのが「タンニンなめし」。
皮のコラーゲンと作用して性質を安定させることで、すぐにかちかちぼろぼろになってしまう「皮」を強靭性耐久性に優れた「革」に変化させます。

なめしにはもうひとつ「クロームなめし」というのがあって、「タンニンなめし」に比べてコストが安いのが魅力です。この二つは性質も若干違ってて機能的に使い分けられているようです。
切り口、革の断面が青色がクローム、茶がタンニンと言われてますので、家具屋さん廻りをされる際には張り地用サンプルを見られては如何でしょう。

写真のオイルレザーはタンニンなめしの染料ぞめ。
さらにオイルを染み込ませた上にワックスをかけてます。
汚れやすい、熱に弱い、色があせる等々、オイルレザーには様々なマイナスな面もありますが、それをもってなお、上回る風合い、革本来の良さ、使い込んでいくことが楽しみに思えるような感じがしてなりません。
ぜひご覧下さい。

2012年3月15日木曜日

インターネットが普及する以前の家具の情報といえば今はもう廃刊になったインテリア誌「室内」。
全国の家具屋さん御用達みたいな雑誌でした。
町の本屋さんがまだ健在の頃の話ですので毎月毎月わざわざ配達してもらってたんですね。

前回リンク先でご紹介した建築史家藤森照信さんの名前を初めて知ったのも「室内」の記事からです。

で、藤森さん、建築史家の肩書きは付いてますが建築家としてもいくつかのお仕事を残しておられます。
それがはちゃめちゃ(自身談)でとても面白い。
屋根の上にニラを植える。板は手割り。縄文建築団と称する素人集団による仕上げ作業等、普通では考えられない仕事ぶり。

 極めつけは写真の建物「高過庵(たかすぎあん)」。
米「タイム」誌「世界でもっとも危険な建物ベストテン」に選ばれました。
茶室だそうですが一体どうやって入ればいいのか分かりません。

その名を一躍有名にした「たんぽぽはうす」 「にらはうす」なんかの画像はネットで簡単に見られますので、ここでは藤森さんのお仕事ぶりを自身の手で綴られた文章をご紹介しておきます。ご興味のある方はどうぞ。

「谷口酒造さん 藤森建築同時ルポ なまこ壁決戦」

木とか石とか草とかの自然素材に対するユニークな感性がとても新鮮に感じられました。

2012年3月10日土曜日






















写真は以前ご紹介した「よろい環境計画事務所」さん「南部町の家」外観。
萬井博行さんのホームページからお借りしました。
http://www.yoroi.info/

萬井さんはまだお若い建築家ですが、山陰のみならず山陽方面からも仕事の依頼が来るほどのご活躍です。
萬井さんとのお付き合いは、当店の看板を製作して頂いた米子市の「北斗工芸」さんのご紹介で始まりました。以来5年間お世話になりっ放しです。
特に家具についての豊富な知識や情報を探し出す熱意には教えられることが多いのですが、なかでも家具選びのセンスの良さには驚かされます。
そのセンスの良さは本業の設計のお仕事でも充分に生かされていて、とりわけ木の使い方、見せ方なんかはとても端正で私は好きです。
ただ、好き嫌いのことで言えばこちらのお宅なんかも実は大好きです。
木に関しては正直何でもアリですね。





2012年3月3日土曜日

写真はコスガのアームチェア。張替え前です。
コスガといえばこの張り地、バラと鹿の図柄?が代表的なのですが、ファブリックメーカーの名前を冠してサンダーソン柄とも言うんだそうですね。
英サンダーソン社のホームページを開いてみると今でも続いているようです。

お客様がリフォームを機に応接ソファの張替えをご希望されて、ついでにこちらのチェアも新しい生地で張替えを、ということでチェアは当店で、ソファは外注で張替えをしました。
後日写真をアップしたいと思います。

文久2年創業の老舗大手家具メーカーだった(株)コスガは、平成20年暮れに倒産しました。
すぐに会社の清算手続きが行われ、今ではきれいさっぱり無くなっているものだとばかり思っていましたが、これを書くに当たって調べてみたところ新たな形で再スタートされているようです。

当店はわずかしかコスガの商品を取り扱ったことがないのですが、さすが老舗、「コスガ」ファンの方は全国にいらっしゃって倒産後、張替えや修理についての不安の声は色々なところで聞きました。
以下ちょっと長いですが新生コスガからのごあいさつ文を紹介しておきます。

(株)コスガの倒産で、多大な皆様にご迷惑をお掛けし誠に申し訳ございませんでした。まずもってお詫び申し上げます。会社を整理していく中で、たくさんの 方々から叱咤激励を頂き、私たちが皆様にできる唯一のお詫びは、現在お使いの家具を安心して永くお使い頂けるようにする事しかないと、家具職人有志数名で 会社を新たに起業させて頂きました。皆様がお使いの愛着のある家具の修理、張り替え、ソファーのカバーなどコスガ製品、他社製品のものでもお問い合わせ下 さい。創業150年の魂を受け継いだ家具職人が修理、メンテナンスさせて頂きます。
(株)コスガの家具社員一同

2012年3月1日木曜日

受験シーズンですね。
受験といえば、原研哉(はらけんや)さん。
日本を代表するデザイナーである原さんの著書が、大学入試の現国問題に採用される頻度がここ数年すごく高いんだそうです。
原さんご自身、その多さに呆れて「原研哉 入試問題集」としてまとめてみようかと冗談半分に呟いておられました。
「デザインのデザイン」岩波書店。
「白」中央公論新社。
受験生の皆さん必読です、と言いながら私はまだ読んでいません。

原さんの仕事は非常に幅広いのですが、私ども家具に関係するところだけは薄いようです。
やや近いところでは「無印良品」のアドバイザーとしての仕事でしょうか。
原さんの名前を知ったのも、無印良品での仕事について何かの雑誌で読んだのが最初です。
近年の無印良品の広告を見るたびに好ましさを感じてました。
いつか当店もこんな素敵なチラシを作ってみたいですね。


無印良品 2006 キャンペーン「しぜんとこうなりました」
地球規模の消費の未来を見通すならば、「地平線」を眺めるくらいの引きの目と、商品自体に接近する寄りの目も必要である。
2006年は製品に焦点を当てたキャンペーンを展開した。
無印良品の製品はノーデザインではない。
目には見えない暮らしの心地よさを探り当てていく、無数の工夫の積み重ねが結実したものである。
その小さくも的確なものづくりの着想を表現している。
                                    原研哉

写真はグラムデザイン木村さんの「彦名の家」、オープンハウス前日の様子。
奥に写っているのが木村さん。
もう夕方でしたがまだまだお忙しそうでした。

こちらのお宅は家を建てられたのが橋本工務店さん、庭を作られたのが前田造園さん、ソファを納めたのが当店と、偶然にも淀江町内つながりになりました。