2013年3月14日木曜日


先日ある方とお話しする機会があって、燻製に使う木のことを教えて頂きました。
その方はステンレス屋さんなんですが、十年位前から業務用燻製器の製作を手がけていらっしゃいます。
最初は趣味的なものだったんだそうです。
それが高じて今では日本中に販路を広げた忙しいご商売をなさっています。
一人でこつこつ丁寧に仕上げる仕事、お客さまの細かなご要望を経験と工夫で実現するオーダーメイド、そんな職人スタイルが全国の燻製ファン?の気持ちをグッと掴んだんじゃないでしょうか。
リピーターも多いと聞きます。
燻製工場、レストランだけでなく個人の燻製好きさんにも売れているようで、プロ向けの道具を素人の方も欲しがるというのは木工の世界でも一緒ですね。
ただ違うのはお値段。
この方の作るモノはお客さまもびっくりするぐらい安いんだそうです。
知らない世界のお話とは言え、自営業者の手間暇のコスト感覚を知るものとしては微妙に納得してしまいました。
で、燻製の香りとか匂いとか味とかの元になる煙、その煙のそのまた元になるチップに何の木を使うか、これは興味深いですね。
こちらのステンレス屋さんの極私的感想では、
  桜   香り、酸味が強い。特に山桜は甘い香り。
  ナラ  色つきがよい。魚に合う。
  くるみ 重厚で上品。肉にも魚にも合う。
家具屋に関係ある木だけ抜き出してみましたが、チップ以外だとスモークウッドと言って線香状のようなものまであるそうです。
これってもしかして何種類かの木をミックス出来るんでしょうか。
ご興味のある方はどうぞ。
ステンレススモーカーくん太郎

写真はウォールナット木片。
燻したことは、さすがにありませんが切ったり削ったりするとチョコレートの香りがしてとても良い匂いです。


  

2013年3月9日土曜日

南を向いた大きな窓から冬の柔らかなお日さまが差し込むお部屋です。
明るい木色が優しい雰囲気ですね。
こちらのテーブル、椅子ともにホワイトオーク材です。
テーブルはオイル塗装だったんですが、あまり濡れ色にならず軽快な仕上がりになりました。
「シンプルモダンな無垢の木の家具」っていう言葉のイメージは人それぞれだと思いますけど、こういう感じもその一つかなという気はします。
小さなお子様のいらっしゃるご家庭だったんですけど、どの椅子がお子様用になるのかな。
想像するとほほえましい光景ですね。








写真はカリモクの食堂椅子。
20年くらい前にご購入頂きましたが、ごらんの通り、背中の籐張りが裂けました。
座面の本革も、表面を無数の白いひび割れが走ってるところに年月を感じます。
今回はとりあえず背だけ修理することになりました。
それにしても後脚から背もたれに向かう逆U字の曲線がきれいですね。
カリモクというメーカーは日本の家具メーカーの中では量産型のタイプのメーカーと言われています。
かつては全国に営業所を持ち日本中の家具屋さん相手の大きな商売をしていました。
大きいだけに「こなれた」モノづくりのできるメーカーです。
その「こなれ」ぐあいをオーソドックスに表現出来てるところが背の逆U字なんじゃないでしょうか。
写真ではよくわからないかもしれませんが、この曲線は結構3次元的な奥行きがあって、新しい籐をはめ込むのに少々気を使いました。

2013年3月4日月曜日

張替えです。
古い家具屋さんならお馴染みの東亜林業3号椅子。
オリジナルは右端。
ダークグリーンの合成皮革が背、座ともに裂けていますが、今回張替え依頼を承った3脚中、一番ひどいのがこれ。
他の2脚はそれ程でもないし、例によって木部の緩みがほとんどありません。
お客様ご自身とてもこの椅子を気に入っていらっしゃるようで当店としても張替える甲斐(かい)があります。
左端のオレンジの布は以前張り替えたもの
オリジナルに忠実にごく薄いウレタンを入れてシルエットを再現しました。
中央のライトグリーンの合成皮革が今回張り替えたもの。
座面がちょっと膨らんでいるのがわかりますでしょうか。
シルエットよりクッション性を重視して2センチ厚のウレタンフォームを入れてみました。
エッジが丸くなった分可愛らしくなったようですね。
新年早々からパソコンの不調に悩まされ、先月の初めにはとうとう起動すらしなくなってしまいましたが、ようやくネット接続可能な状況になりました。
ほぼ休眠状態だった当ブログもこれで再開できそうです。
撮りためていた写真もいっぱいありますので、頑張ってご紹介していきたいと思います。

写真は食卓の脚底に敷く敷板です。
まだ塗装前です。
お客様のご要望で作ってみました。
食卓は40ミリ厚の無垢のウォールナット材、200×85センチの大テーブル。
この重量を支える4本の角脚は脚先に向けて細くなっていくデザイン。
小さな面積の脚底が食卓下のホットカーペットの配線を傷めるのでは?、というご心配から敷板を
敷くことになりました。
ネットで調べてみましたが5センチ×5センチ、重量200キロまでのテーブルなら大丈夫というようなことが書いてある取扱説明書を見ました。
こちらの敷板は8センチ角なのでとりあえず安心、ということでしょうか。
実際にやってみないとよくわからないところですね。