2013年5月17日金曜日

ブラックチェリーいろいろ その2

写真はMMテーブルの天板。
こちらも仕上がったばかりのブラックチェリー材です。
配送前のチェックの際、撮影したものです。
ほんのりピンクがかった色合いがなんとも言えないですね。
これを書くにあたってネットで調べてましたらアメリカの木材会社のホームページに「CREAMY PINK」という表現がありました。
均一によく目の詰まった、それでいてハードメープルやバーチのような硬質な冷たさのない木肌、柔らかな風合いを色とテクスチャーまるごと詰め込んだ一言で言い当てているような感じです。
経年変化後の濃色も良いんですが、鉋やペーパーで削り出てくるブラックチェリー本来のうす淡いピンク色というのは心に直に語りかけてくるような、癒されるようなものがあるような気がします。
リリックですよね。


この項つづく。

2013年5月15日水曜日

ブラックチェリーいろいろ その1

写真手前はKUKUMUKUチェア。
材はブラックチェリー。
メーカーから送ってきたばかりの出来立てほやほやです。
木色の経年変化を較べるために同じブラックチェリー材のHATAチェアと並べてみました。
HATAチェアは展示後まる2年を迎えるところです。
どちらもクリアな蜜ロウ仕上げで色付けはしてない自然のままの木色です。
拙い写真ですが色味の変化がわかりますでしょうか。
一般にブラックチェリーは初めの頃のうす淡いピンクの色味より、年月を経た後の赤みの強い色味のほうが高く評価される傾向にありますが、じゃあ最初っからそんな濃い色付けをしたらどうかというとこれが微妙でして。
高級材であるブラックチェリーを色付け、艶つけすることでより高級感を高めようとすると逆にお客様が求めるイメージから遠ざかる場合があります。
ナチュラルな感覚をより重視されるお客様ですね。
当店のお客様もどちらかというとその傾向は強いです。

この項つづく。

2013年5月10日金曜日


写真は栃の木の小テーブルです。
よく陽のあたる縁側に置いてあったせいか全体が白茶けてきたようなので塗り直すことになりました。
天板裏の製造表示にオイル塗装とありましたので軽くサンドペーパーを掛けるだけで輪ジミや汚れも取れました。
塗料は今回、荏油(えあぶら)を使ってみました。
荏油はエゴマを圧搾した植物油で、年月とともに木色があめ色に変わるのが特徴です。
実は白木系のオイル塗装は賛否が分かれています。
ひとつは透明度の高いウレタン塗装の方が木の表情をより鮮明に表現できるという見方。
もうひとつはオイル塗装の木味を生かした、より自然な風合い。
これに木色の経年変化、「やけ」をどうみるかということが絡んできます。
どちらも捨てがたいのですが今回お客様の意向はオイル塗装でした。
何年か後にうま~く色づいてくれると良いですね。






2013年5月6日月曜日

前回ご紹介したKITOKI、サンドイッチテーブル。
写真は天板と脚の接合部です。
このあたりが小泉さんらしいディテールの気の配りかなと思います。
同じ無垢の天板2枚の重量を支える脚は29×50mmの鉄の角パイプ。
錆びの風合いを表現した特殊な意匠の塗装です。
塗料屋さんのマニュアルを見ると、素人でも簡単とあります。
思わず自分でもやってみようか、という気になりますね。
が、その先に個人の技量や感性によって仕上がりがけっこう違ってきます、とありました。
この脚、見方によっては複雑な色模様をした「木」、たとえば紫檀やウォールナットにも見えたりします。
この辺りが技量なんでしょうね。
写真はKITOKI、サンドイッチテーブル。
デザインは当ブログではお馴染みの小泉誠さん。
名前のとおり2枚の無垢の天板をサンドイッチした少々ぜいたくな作りのテーブルです。
天板2枚の隙間は読みかけの新聞やランチョンマットを仕舞っておくのにちょうど良い高さ3cmのスペース。
引き出しより使い勝手が良いかもしれません。
当店の展示はレッドオーク材ですがその他ウォールナット、チェリーでも製作できます。
そういえばKITOKIはアメリカ広葉樹輸出協会のキャラ入り材が仕様のはずですが、なかには写真のように節とか黒筋とかのキャラクターマークのまったく入らないものもあります。
ちょっと珍しいですね。