2013年12月26日木曜日

最近はご新築のお家に納品に伺うと必ず目にする薪ストーブ。
お話を聞くと、旦那さんが入れ込む、というか惚れ込むパターンが多いようです。
いずこのお宅でも、ご主人さまの情熱に少々奥さま方が引きずられ気味な、なんてことはまあ無いんでしょうが、薪ストーブといえば「男の趣味」的な要素は強そうな感じはします。
たとえば、薪割りをしている父親の姿は、子供の目から見ても格好良く映るでしょうし、寒い夜にゆらめく炎を眺めながら飲む酒は、強いウィスキーなんかが似合ってそうです。
男性性の復権、家族の団欒の中心にいるべき存在としての「父親」の象徴なのかなあ、って小むずかしく考えてしまいました。
となると、薪ストーブは外観、見た目が大切になってきます。
大きくて、どっしりとして、がっちりとして、古めかしくも優しいフォルム。
そして、そこはかとなく漂う威厳。
まさに写真の薪ストーブですね。
ちょっと興味が湧いたんでネットで検索してみたら、アメリカのメーカー製のようです。
さすがマッチョ大国アメリカと思って納得しながら、いろいろ見て回るうち、アレって?。
これって薪ストーブ?っていうような、おしゃれでモダンな外観。
コンパクトで場所をとらず、高い燃焼効率で、いかにも便利そうな機能が付いた新機種がいくつも出ていて、むしろこちらの方が主流なんじゃないかって思えます。
世の奥さま方の現実的でシビアなモノの見方が、男のロマンを隅っこへ追いやるかのごとくです。
さすが女は強し、ですかね。

写真に写ってる薪は、梨の木です。
梨で有名な当地ですが、だんだんに梨農家も減ってきています。
こちらのお宅もかつては梨を作っておられましたが、現在では止められました。
古木が山ほどあるんで、当分のあいだはこれで間に合います、とのことでした。





2013年12月22日日曜日

ブナ材のテーブルの修理、つづきです。
ブナは目が詰まって硬く、暴れやすいわりに、おとなしい木目とやわらかな色合いがとてもやさしげですね。
西欧では昔からとてもポピュラーな材ですが、日本では狂いやすさが嫌われて、昔は雑木あつかいでした。
曲げ木家具メーカーの社史によると、明治になって曲げ木技術が導入され、はじめて資源としてのブナ林が着目されるようになったそうです。
資源を利用して量産品をつくるという意味ではそのとおりだと思います。
ただ、ブナと人との関わりは意外に古く、密接のようです。

ブナ帯文化という言葉を最近知りました。
おもに東北地方のブナ林の恵みを生かして暮らしてきた人々の生活や文化を指す言葉です。
照葉樹林帯の年がら年中葉っぱが茂った森は、昼でも暗く、人が足を踏み入れるのが困難で、森の恵みを得ることより伐採して土地を切り開くほうに気持ちが傾いてたんではないか。
それに対し、落葉広葉樹のブナ林は葉っぱの密生が少なく、積み重なった落葉は下生えをおさえ森の奥深くに入ってもわりと明るく開放的な景観であり、人が入りやすかったと考えられます。
狩猟や、木の実の採集、炭焼き、保水、材木など、森の内外で恵みを受けた人々の、ブナ林を大切にする暮らしがそこにはあったと思います。
と、まあこんな感じのことが書かれていたんですが、おもしろかったのは建築材料としてもブナを使っていたこと。
うろおぼえですが、あるお寺では大半の材料がブナだったそうです。
これはちょっと興味しんしんですね。
日本の中央、たとえば法隆寺なんかの杉、桧信仰に対抗する東北人のアンチな気分を妄想してしまいそうです。

薪ストーブについて書こうと思ってたんですが、前置きが長くなってしまったので次回にします。







食卓テーブル修理後の写真です。
修理前はこちら
ちらっと椅子が写り込んでます。
この椅子の色が元々のテーブルの色でした。
これだけ濃色に塗られてると木地そのものの欠点、たとえば隣り合った材の色の違いなんかほとんどわかりません。
実際に塗装を剥ぐまで不安でしたが、ご覧のように天板は木目と色あいをきちんと揃えてあり助かりました。
脚のほうは何ヶ所か色むらがありましたが、お客様と相談の上、ナチュラルな風合いを優先するということで色付けはしてません。

ブナ材の塗色の最近のトレンドは濃色から淡色に変わってきています。
木地そのままの色をクリアに見せたり、白を混ぜてよりいっそう明るくしたりと色々ですが、ブナ材は反ったり曲がったりの激しい木なので、ふつうは合成樹脂の塗膜で覆ってしまって木の呼吸を防ぐ方法がとられています。
とは言っても完全に密閉されているわけではありません。
木は少しづつ呼吸を繰り返しながら時間をかけてゆっくりと乾燥していきます。
木の中に残っている応力もしだいに消えて安定していくはずです。
こちらのテーブルもすでに30年経過しています。
同じ敷地内にご新居を建てられましたので環境の変化もありません。
ということで今回は、ちょっとばかり強化剤を加えた植物油で仕上げてみました。
木には存分に呼吸させておいて、お部屋の調湿の手助けをさせつつ、ブナの木のそのままの手触りと風合いを楽しんで頂ければ、と思ってます。

この写真は納品後4ヶ月ほど経過したところですが、さいわいまだ反りなどの狂いは出てきてません。木に理解のあるお客様でしたが、この先なにごとも無く過ぎてくれると良いんですが。



2013年12月21日土曜日

写真は長さ2400ミリ、幅1100ミリの食卓の天板です。
材はブナ材です。
約30年ご使用になられたもので、へこみや輪ジミ、ひっかき傷が無数にありました。
新しく家を建てるご予定のお客様でしたので、新たに新品を買うか、修理して使うか迷われていましたが、結局修理されることに。
若い頃に買って長く使い続けてきたんで、それなりに思い入れがあるとのことです。
そうですね。
お金を出してでも直して長く使っていきたいモノって、やっぱり人それぞれの何かしらの思い入れがあるんだと思います。

お客様のご希望は間取りを考えて、長さ2100ミリ、幅1000ミリの天板サイズにカット。
かどっこのアールも、四辺の丸い面取りも直角に落としてシャープなシルエットに。
アンティーク風な濃淡の塗装を、ナチュラルで明るい白木仕上げにしたいとのことです。
ご新居のイメージに合うようにということで、お気持ちはわかります。
でも写真には写ってませんがこちらの食卓、昔懐かしいコロニアル調のロクロ脚なんですよね。
カットした天板との取り合わせが、ちょっと不安でした。


2013年12月19日木曜日

当ブログはご覧のようにグーグルのブログです。
ブラウザは初めはファイヤフォックス、後にはマイクロソフトのIE8を使ってました。
過去何年かは普通に使えてたんですが、この数ヶ月は不調つづきでした。
時折り、ネットで見かけるグーグルとIEの「相性」の悪さなのか、単にパソコン内の問題なのか、この方面の知識がないのでよくわかりません。
ブログの文章を書くためのカーソルが現れない。
画像の周囲の改行がおかしくなる。
これらはHTML側から記述することで修正できましたが、二月ほど前から写真のアップがしばしば出来なくなりました。
さすがにこれはちょっとまずいんで、ブラウザをグーグルクロームに替えてみたところ、あっけないほど簡単にすべての問題が解決しました。
もっと早くにわかってたら、と思いましたが、あれこれ調べまわったせいかちょっとだけネットの仕組みを覗けたようで、逆に良かったかなという気はします。
なにはともあれ、週一更新を目指して頑張らねば。

写真は納品前のウォールナット材のラウンジチェア。
お庭に面した縁側に置かれるそうです。
寒くなってきましたんで、日当たりの良い日曜日なんかにはこの椅子に座ってゆっくりとしたひとときを過ごせそうですね。

2013年12月18日水曜日

納品先のお客様より写真を頂きました。
うれしいですね。
ブログにアップする許可を頂いてたんですが掲載が遅くなって、K様、誠に申し訳ございません。
それにしても当ブログのボケ写真と違ってとてもきれいです。
床材の杉の木肌の鮮明なこと。
香りまでただよってきそうですね。
写真の食卓は宮崎椅子製作所、MIテーブル。
椅子は同じくUUチェア。
鳥取から何度も脚を運んで、じっくりと選んで下さいました。
ナラ材の少しくすんだ色味が落ち着いた印象で、お部屋によく馴染んでますね。
シンプルで自然な木の使い方がお部屋と家具の好ましい調和を生んでるのかもしれません。
この先、使っていくうちに傷やしみが出来たりするでしょうけど、なんかそれも味わい深くなっていきそうな予感がします。
こちらのお家は鳥取市の日栄住宅さんのホームページにご紹介されていますので興味のある方はご覧になっては如何でしょうか。