2012年7月25日水曜日

前回机の下にアームチェアの肘先を潜らせるための椅子脚カットのお話をしましたが、今回はお客様の体形に合わせるための脚カットのご紹介です。
写真は「NO42」チェア。
カイクリスチャンセンの有名作品ですね。
今では日本の宮崎椅子製作所で作られています。
既に北欧での生産は行われていないと聞いていますので、市場に出回っている大半はユーズド品だと思われます。
ユーズド品の良さはオリジナリティと使ってある張り布でしょうか。古くなった感もいいです。

ユーズド品と宮崎椅子製の違いはちょっと専門的なお話になりますが、前脚の接合部分の胴つき面積を大きくして強度を増したこと。
座のクッションを支えるウェビングテープをダイメトロールに換えて耐久性を増したこと。
壊れ易かった背もたれの可変金具を改良したこと。
私が聞いているのはこの3点ですが他にもあるかもしれません。
各部デザイン、寸法はオリジナルを尊重しているということです。
そう、北欧人の体格に合わせたシートハイ(座高)46センチ。

こちらのお客様は女性で小柄な方だったので奥様用の分だけ脚カットというお話になりました。
かかとがしっかり床面に付くぐらいとのご希望でしたので採寸したところ今まで経験の無いくらいの長さをカットする予定になりちょっと焦ってしまいました。
考えてみれば当たり前の話で、通常、日本人に合わせた既製品の椅子のシートハイは40から42センチ。小柄な方、ご年配の方のためには38センチと言われています。無論、座面の素材、座面の傾き、座面の奥行きによって変わってきますので一概には言えませんが、大雑把には上記の寸法が各メーカーの標準となっています。
体形に合わせるという点では5センチくらい切ってもよいでしょう。
念の為「NO42」チェアの脚カット長さの例をネットで調べてみました。
後脚より少し前脚のほうを大きく切るところが多いようです。
それでも5センチという例は見つけられませんでした。

恐る恐る小刻みに前後の脚を切っては、座り心地とシルエットを検討しながら結局は前脚5センチ後脚4センチまで切り進めました。
お客様にご満足頂けたのがなによりです。




前回ご紹介した机と椅子の置き場所は実はこのようなところです。
奥様専用のパソコンデスクといえば、書斎やリビングよりダイニングスペースのほうが何かと便利なんでしょうね。
パソコンデスクやワーキングデスクの最近の売れ筋はホテルデスクタイプの奥行きが45センチのものが主流になっていますが、こちらのお客様はお仕事の関係上広いデスクトップを必要とされていましたのでスタンダードな形になりました。
椅子の背後、ちょうど写真が切れるあたりには食卓が迫っており、通路確保のためには机下に椅子の肘を入り込ませる必要があるかもしれません。
肘先から3分の1ぐらいは入りましたが更に椅子を押し込むためには1センチぐらい脚をカットしないといけません。まあその辺は使ってみてから、ということで今は様子見です。
写真はブラックウォールナットの机にブラックチェリーの椅子の組み合わせ。
ご購入頂いたお客様は最初にこちらの椅子に一目惚れ。
合わせる机も、チェリーで揃えるのかと思っていたところウォールナットを選択されました。
着色しない自然なままの木の色と言うのは、木の種類を違えてもさほど違和感はないと思いますが、この写真の写りではそうとも言えませんね。

ウォールナットの黒は年月とともに色抜けして赤が強くなっていきます。チェリーの赤は色味が増して黒が強くなっていきます。木目や風合いを別にすれば色調はすごく似通ってきますので先楽しみがあるでしょうねとお話ししたら笑っておられました。

2012年7月3日火曜日

「HOLLY1PLAIN」の布地を張った商品のご紹介を続けてきましたが、あの写真ではよくわからないとのご指摘を頂きましたので、今回は引いて撮ってみました。
どうでしょう。
せめて雰囲気だけでも伝わったでしょうか。
当店の古ぼけたディスプレイで見る限り、さらによくわからなくなっているようです。
引きの写真で柄や杢目の具合まで鮮明に写ったらいいんですが、その辺りはご勘弁ください。

写真は納品先のお客様宅の玄関。
ナチュラルかつシンプル。
手狭なようにみえて、なにかほっとする大きさ感。
とても居心地の良さを感じました。