2012年5月27日日曜日

先日、滋賀県のピュアスタイルさんに行ってきました。
ピュアスタイルさんのホームページはこちら。
http://www.purestyle.co.jp/

ピュアスタイルさんは当店と比較にならないぐらい大きなお店なのですが、滋賀県にはもっと大きな家具店がごろごろあるようなんで、かなり以前から自店の立ち位置をはっきりと意識してご商売なさっています。その辺りの事をお伺い出来たらいいなと思って見学させて頂いたのですが、予想以上に際立った商品構成に正直驚きました。
ホームページ上のおしゃれ感はそのままながら「木」へのこだわりがとても強い。
特に無垢のウォールナット製品の展示数は京都滋賀で常に一番でありたいとのこと。
ウォールナットに限りません。シンプルモダンな木の家具が、広々とした店内いっぱいに並べられています。
そして、あれだけの店内の広さがあり、たくさんの商品が並んでいるにもかかわらず、きっちりテイストを揃えているところに並々ならぬこだわりを感じました。
お相手をして下さった若社長さんが、売れない日が続くとそのこだわりが揺らぎそうになると仰ってましたが、売り場を見ればその自信の程、いや信念がよく伝わってきます。
久しぶりに刺激を受けた一日でした。

2012年5月24日木曜日

マルニ木工の食堂椅子つづき。

とりあえず座れる形にしてみました。
合板の上にクッションを積んでビニールレザーでくるんでみたのですが、安易でした。
なにより重い。
それに身体が馴染んでないせいか、前の破れていた時のほうが座り心地が良いです。
背もたれも背中が前に押し出される感じがして、一言で言えば落ち着かない座り心地。
ほとんど座ることなく飾り物状態です。
やっぱり別の方法を考えないと駄目ですね。


写真はマルニ木工の食堂椅子。
こちらは売り物ではなく、私用品ですが、もう20年くらい愛用しています。
各部分の接合が緩んで、座ると少しぐらつきますし、1年ほど前から座面の籐張りが破れた状態です。
家人からは修理出来ないなら捨てろと言われていますが、手放せない理由がはっきりありまして、それは軽さです。
単に重量だけなら他にもっと軽い椅子はあるでしょうが、手に馴染んだ重さがちょうど良くてなかなか捨てる気になれません。

椅子軽量化の最近の手法は、細く削り込んだフレームにダイメトロールに代表される布バネを組み合わせたスリムなイメージのものが多いのですが、こちらの椅子は昔ながらのやり方。ちょっともっさりしたイメージです。
フレームの材料のブナ材の比重は中程度です。
ですので、軽さの主な理由は背と座の籐張りにあるんでしょう。
で、この籐張り。手編みです。
座面フレーム周囲の無数の貫通孔を何度も何度も通して編んであります。自分で直そうと思って少しほどいてみましたが、とても難しくてあきらめました。
背もたれに至ってはどうやって作ってあるのかもよくわかりません。
既にメーカーのパーツ在庫もないようですので、籐材料店さんに相談するより他ないかなというところです。

ちなみにこちらの椅子、マルニ木工が販売していましたがメイドインポーランドです。
椅子全部がそうなのかパーツ輸入なのか、まではよくわかりません。


2012年5月19日土曜日

ギターの演奏の続き。

写真は「dandan」スツール。
木はパープルハート。
お客様のご好意で、先月の今井書店さんの「暮らしに寄り添う木の椅子展」で並べさせて頂いた際、撮影したものです。
以前ご紹介したときよりも「紫」が強くなっていました。
この角度で見ると、より「構成的」なイメージが伝わるようですね。
ご来場頂いたお客様にも好評?で、商品の説明をしながら、最初の「これ何」がだんだん「これ良いわ」に変わる経過がとてもおもしろかったです。

で、商品の説明の際、「ギターの演奏用の小椅子にも使えますよ」という製作者の意図をご紹介したのですが、実のところ私は音楽にとんと無縁なものでギターの演奏スタイルがどんなものか良く知りません。
うろおぼえのなかで、脚を組んでいたような気もしますし片膝を上げていたような気もしますし。
そう言えば、前回ご紹介した昇降スツールのお客様はある程度の座面の高さを必要とするようなお話をされていました。
「dandan」スツールの高さは540ミリ。
果たして脚を組むのか片膝を上げるのかよくわからないまま、お客様にご説明していたのはさすがに気恥ずかしいものですね。
ちょっと調べてみようと思います。
クルマナオキ建築設計事務所さん続き。

こちらの施主さんはご自分でご商売されていらっしゃるようで、店舗兼用住宅でした。
庭を挟んで向こうに見えるのが店舗部分のようです。
食卓の先は収納を兼ねた階段につながるのですが、まるで広場の階段のように座って、おしゃべりしたり読書したりすると楽しそうな場所でした。
そういえばこちらの施主さんはギターを演奏されるということですから、そういうことにも使えそうですね。

写真右端の黒いスツール。
真ん中の木棒にスパイラルの溝が切ってあって、座面を回転させることで昇降させるタイプのスツールなんですが、ギター演奏用の小椅子としてお求め頂いたものです。
後で考えたらこの部屋には「 dandan スツール」でも良かったかもしれません。
次回またまた「 dandan スツール」とりあげます。

2012年5月18日金曜日

写真はクルマナオキ建築設計事務所さん「ニコハウス」。
オープンハウス前日のお忙しい中を撮影させて頂きました。
来間さんのホームページはこちら。
www.kuruma-arch.com

来間さんは米子市公会堂改修や建築塾のイベント、講演など幅広い活躍で注目されています。
当店とのお付き合いは3年前、来間さんの施主さんからのご紹介から始まりました。
温和な風貌で語られる優しくも辛口のコメントがとても素敵なのですが、お忙しいようでホームページのほうの更新はいささか停滞気味のようです。代わりと言ってはなんですが、来間さんの別の施主さんが完成見学会などの情報をネット上で精力的にご紹介されていらっしゃるようですので、ご関心のある方は検索されてみては如何でしょう。

写真の食卓はメープルの無垢材。
モダンな空間によく映える色味です。

2012年5月15日火曜日

木の椅子の座り心地の感覚について。
「ぽっこりはまり込む座り心地」が当店で人気がありますと以前ご紹介しましたが、写真手前の椅子なんかもその感覚に近い座り心地です。
居心地の良いコックピット、少し固めな殻に包まれる感覚、なかなかうまく表現できませんが自由度の少ない、それでいて快適な感覚をご想像ください。
こんな感じの座りは、特に小柄な女性の方に好評なようです。

写真の椅子は飛騨産業「プレシェルト」。
この椅子のデザインを特徴づける繊細に細く削り込んだ背もたれのスピンドルにご注目下さい。
この細さが柔らかで、しなやかな背当たりの理由になっているのですが、細いばかりで折れてしまうようなことがあってはいけません。
座面から緩やかなテーパーを辿りながらある部分から急激に細くなる。女性に多い浅く腰掛けた姿勢のちょうど背もたれに当たる部分。小柄な女性の方だとしたら肩甲骨の下の辺り。その部分の細さから逆算して強度を保てるテーパーラインになっているようです。

安易にウレタンクッションに頼らない椅子づくりというのは大変な反面、自然材料としての「木」を上手に加工することで、人と椅子が「馴染む」感覚をより深いものとすることが出来るのではないでしょうか。

2012年5月2日水曜日

写真は浜本工芸のソファです。
もう何十年もご使用になられて少しくたびれていますが、すごく愛着のあるソファーだそうで張替えのご依頼を承りました。
ソファの張替えは当店で出来ませんのでメーカーに問い合わせたところ、もう型紙がないから無理とのこと。仕方なく他社で張替えしてもらいました。
張りぐるみのソファの張替えは高額な見積もりになることが多く、たいてい金額を提示した段階で二の足を踏まれる方がほとんどなのですが、こちらのお客様はよほど愛着の度合いが強かったんでしょう。即座にご決心されました。
木部だけ残して、中身のスプリングから一切を新調しました。
また新たなおつきあいの始まりです。

張替えをしたいが金額がちょっと、と言う方が結構いらっしゃるようなので、数年前から当店のソファのラインナップを張りぐるみタイプから置きクッションタイプへ変更しました。くたびれたパーツだけの張替えや交換だったら少しでも安くなるんじゃないかな、という感じです。縫製の仕様も出来るだけシンプルなものを選んでいます。
最近お客様からご購入の際に「長く使いたい」という言葉をよく聞きます。それは大事に使いたいという気持ちの表れであるでしょうし、逆に私どもからすれば長く使える為の工夫やコストに気を使っていかなければならないということなんでしょうね。
張替え後の写真は後日アップします。

※2012年8月19日 追記
張替え後の写真をアップしました