2012年10月11日木曜日


最近「ヴァイオリン名器差し押さえ、再びドイツ税関で関税一億二千万円支払え」というニュースを読みました。
ドイツ在住のバイオリニスト、有希・マヌエラ・ヤンケさんが日本での演奏会を終え、帰国した9月28日にフランクフルト空港の税関に差し押さえられた、とのことです。
差し押さえられたヴァイオリンは日本音楽財団がヤンケさんに貸与したストラディバリウス。
ですので関税云々は言いがかりも同然なのですが、EU通貨危機の中でのピリピリした雰囲気が伝わってきます。
8月にはベルギー在住の堀米ゆず子さんも同じ目にあっています。
ヤンケさんも堀米さんも後日、無償で返却されたようですがとんだ災難ですね。
そのヤンケさんが日本で参加した演奏会が「ストラディバリウスコンサート2012」。
コンサートの模様はスタンディングオベーションが出る盛況ぶりだったそうです。

クラシック音楽にさほど関心がない私ですが、ストラディバリウスにまつわるニュースが続いたこともあって少し興味を覚えました。
ヴァイオリンの製作と言うのは歴とした木工の世界です。
それでいて楽器製作の世界、知識や情報というものに疎いままでした。
ちょこっと調べただけでそそられること、そそられること。
「ストラディバリウスの音色の秘密は特殊なニスにあるとされてきたが、そうでない事が実証された」
「18世紀当時の木工技術より楽器に対する科学的な研究の進んだ現代の方が優れている」
「ミクロン単位で実測して限りなく本物に近い寸法の複製を作る技術はあるが音色は再現不可能」
「木の経年変化が音色に与える影響とは何か」
「ストラディバリという人は木と対話する能力がずばぬけていた」

刺激的なタイトルが連なってしばらくハマリそうな予感です。
最後の「木と対話する能力」云々は家具の世界で言えばこの人
James Krenov。
腐朽菌の害で変色した木を表に使う斬新さ。
ユニークってこういうことを言うんでしょうね。