2012年2月19日日曜日

写真は回転食堂椅子の脚部。
接合部分が緩んでガタツキが生じた為、いったんバラして再組み立てしている様子です。
わずか数年のご使用でこのようになりました。

回転タイプの木製椅子の欠点のひとつに、金属製の回転盤内のベアリングの消耗によるぐらつきがありますが、これ自体はご使用による損耗であって欠点とは言えないのかもしれません。
むしろ問題はその取替え時期に同規格の交換パーツがあるのかないのか不明な点にあります。
以前どうしても見つからず困っていたとき、運良く他社製品が流用できて助かったことがありますがまぐれ、偶然です。
取替え時期が3年後になるのか10年後になるのかは使用環境によって違います。
ぐらつき始めたらどんなに立派な木やクッションで作られていても座れたものではありません。
製造メーカーさんにはこのあたりもうちょっとでも考えて頂ければと思います。

と、このように書きましたが実際はベアリング損耗によるぐらつきは意外なほど数少なく、修理で多いのは上記写真のような木部の不具合です。特に四方向へ転ばせた脚の接合部分。

輸入量産品ということで仕口はすべて2本ダボ組み。
当店は普通の家具店ですのでダボ組みOKのスタンスです。
アリ組み、ホゾ組みが優れているのは分かりますが使う場所によってはオーバークオリティな気がしますし、精度の出たダボ組みの強度は家具屋さんなら経験的に知っています。
処分用に持ち帰ったダボ構造の古い椅子をバラそうとして恐ろしく手こずったりして。

と、同時に簡単に抜けてしまうのも同じくダボ組み。
そのあたり「精度」の問題に帰するのが妥当かどうか分かりません。回転タイプの木製椅子は負荷のかかり方が従来の椅子製作の要領とは異なっているだろうし。

商品サイクルがどんどん短くなりつつある今、年月をかけて製造工程を見直しながら、マイナーチェンジを繰り返して一つの商品を完成型に近づけていくなんて夢のようなお話なんだなと思ったりもします。
むろんその夢を実現させようと頑張っている家具メーカーも数は少ないですがあります。
応援したいと思っています。