2014年3月26日水曜日

写真はぺぺラウンジチェア。
フレームはブラックチェリー材。座面はオイルレザーが張ってあります。
カジュアルなデザインなんですが、素材のグレードを感じますね。
オイルレザーは革の加工の際、植物オイルをしみ込ませることで革をよりしなやかにし、自然な風合いを残したまま耐久性を持たせたものです。
とは言っても扱いはなかなか面倒で、お手入れがかかせません。
そのあたりのことはすでにオイルレザーのバッグや小物をお持ちのお客様の方がよく知ってらっしゃる場合が多く、そのことで敬遠されることはあまりありません。
この椅子に使われている革は染料染めのタンニンなめしなので余計にデリケートな素材なんですが、オイルレザーの魅力というのは替え難いものがあるんでしょうね。

家具屋で従来あつかってきた革は、どちらかと言えば量産的で無個性になるよう加工された革が多かったようです。
牛革をクロームでなめして、品質にばらつきの無いよう型押しし、実用面を考え銀面をしっかりコーティングしたタイプが多かったようです。
ヌメ革やイタリア製の革が使われている高級品もありますが全体から見れば一部でしょう。
家具に比べると衣料品や雑貨で使われている革はすごく種類が多くてうらやましくなります。
前に栃木レザーという会社をネットで検索しているうちにこんな文に出会ったことがあります。
外国に比べ日本製の革に満足できないという質問に寄せられた回答です。
Q 「日本はまだまだ技術的には追いついていない」
A それはどうでしょうか。
  私は単に、日本のメーカーから良い革を求められていないだけな様に感じます。
  よりトラブルの少ない革、よりメーカーにとって生産性の高い革の注文が多いだけの気がします。
  革の展示会が年2回浅草で開かれています。
  ここでは縛りのない、のびのびと作られた革を目にすることができますよ。

商売的にはお客様のユニークな感性が多種多様なモノ作りを支えているように思えます。