2013年12月22日日曜日


食卓テーブル修理後の写真です。
修理前はこちら
ちらっと椅子が写り込んでます。
この椅子の色が元々のテーブルの色でした。
これだけ濃色に塗られてると木地そのものの欠点、たとえば隣り合った材の色の違いなんかほとんどわかりません。
実際に塗装を剥ぐまで不安でしたが、ご覧のように天板は木目と色あいをきちんと揃えてあり助かりました。
脚のほうは何ヶ所か色むらがありましたが、お客様と相談の上、ナチュラルな風合いを優先するということで色付けはしてません。

ブナ材の塗色の最近のトレンドは濃色から淡色に変わってきています。
木地そのままの色をクリアに見せたり、白を混ぜてよりいっそう明るくしたりと色々ですが、ブナ材は反ったり曲がったりの激しい木なので、ふつうは合成樹脂の塗膜で覆ってしまって木の呼吸を防ぐ方法がとられています。
とは言っても完全に密閉されているわけではありません。
木は少しづつ呼吸を繰り返しながら時間をかけてゆっくりと乾燥していきます。
木の中に残っている応力もしだいに消えて安定していくはずです。
こちらのテーブルもすでに30年経過しています。
同じ敷地内にご新居を建てられましたので環境の変化もありません。
ということで今回は、ちょっとばかり強化剤を加えた植物油で仕上げてみました。
木には存分に呼吸させておいて、お部屋の調湿の手助けをさせつつ、ブナの木のそのままの手触りと風合いを楽しんで頂ければ、と思ってます。

この写真は納品後4ヶ月ほど経過したところですが、さいわいまだ反りなどの狂いは出てきてません。木に理解のあるお客様でしたが、この先なにごとも無く過ぎてくれると良いんですが。