2013年12月22日日曜日

ブナ材のテーブルの修理、つづきです。
ブナは目が詰まって硬く、暴れやすいわりに、おとなしい木目とやわらかな色合いがとてもやさしげですね。
西欧では昔からとてもポピュラーな材ですが、日本では狂いやすさが嫌われて、昔は雑木あつかいでした。
曲げ木家具メーカーの社史によると、明治になって曲げ木技術が導入され、はじめて資源としてのブナ林が着目されるようになったそうです。
資源を利用して量産品をつくるという意味ではそのとおりだと思います。
ただ、ブナと人との関わりは意外に古く、密接のようです。

ブナ帯文化という言葉を最近知りました。
おもに東北地方のブナ林の恵みを生かして暮らしてきた人々の生活や文化を指す言葉です。
照葉樹林帯の年がら年中葉っぱが茂った森は、昼でも暗く、人が足を踏み入れるのが困難で、森の恵みを得ることより伐採して土地を切り開くほうに気持ちが傾いてたんではないか。
それに対し、落葉広葉樹のブナ林は葉っぱの密生が少なく、積み重なった落葉は下生えをおさえ森の奥深くに入ってもわりと明るく開放的な景観であり、人が入りやすかったと考えられます。
狩猟や、木の実の採集、炭焼き、保水、材木など、森の内外で恵みを受けた人々の、ブナ林を大切にする暮らしがそこにはあったと思います。
と、まあこんな感じのことが書かれていたんですが、おもしろかったのは建築材料としてもブナを使っていたこと。
うろおぼえですが、あるお寺では大半の材料がブナだったそうです。
これはちょっと興味しんしんですね。
日本の中央、たとえば法隆寺なんかの杉、桧信仰に対抗する東北人のアンチな気分を妄想してしまいそうです。

薪ストーブについて書こうと思ってたんですが、前置きが長くなってしまったので次回にします。