2012年12月16日日曜日

写真は東亜林業(株)の食堂椅子。
背もたれの籐張りが破れ始めました。
食堂椅子の背もたれの籐が破れたときの修理は通常メーカーに依頼していますが、今回はご予算の関係で当店でやりました。
こういった感じの修理は割と多いです。
メーカーへ修理に出せばきちんと新品同様に直してくれますが往復の運賃を含めると結構な金額がかかります。
そこまでじゃなくていいから、ほどほどにというお客様の場合当店で対応させて頂いています。
籐張りの仕事は初めてでしたのでさすがに1脚目は手こずりましたが2脚目以降はコツがわかってスムーズに進めることが出来ました。
以下は備忘のために記しておきます。

古い籐張りを剥がす際、フレームに傷が入らないようにすること。
籐シートは普通、フレームに掘り込んだ溝に接着剤、または接着剤+タッカーで上から丸芯で押さえ込んであります。
今回の修理品は3脚中1脚だけタッカー留めがしてありました。
細い溝の底に堅く打ち込んである何本ものタッカーを抜くのは結構面倒でフレーム木部に傷が入りそうで怖かったです。
そう言えば東亜林業さんの古い時代の椅子は型が同型でもちょっとした仕様の違うことがよくあります。

溝幅、溝深に合った丸芯を選ぶこと。
今回、5mmの溝幅に4.5mmの丸芯を叩き込みましたが、少々きつかった様に思います。
すでに20年ちかくご使用になられた椅子ですので今後同じような修理があるかどうか分かりませんが、一応タッカーは使いませんでした。
籐材料屋さんのマニュアルにもタッカーは打つなとありました。
修理が楽に出来るというのは大切なことですが、固定する力の加減がまだよくわかってないので、きつめの太さの丸芯を選んだことは結果として良かったと思いました。

悩んだのが塗装。
同じく籐材料屋さんのマニュアルには塗装はするなと書かれていました。
塗装を施すと籐が脆くなるから、とのことですが、お客様がご使用になっている椅子6脚のうち3脚だけの修理ということもあって結局色あわせの塗装をしてしまいました。
塗装するしないでどの程度違いがでるか今の段階ではよくわかりません。

張替え後の写真を撮り忘れましたので後日、写してきます。
とりあえず材料の写真を。
カゴメ編み。編み目は1/2インチという種類。
未漂白ですので今後、飴色に色が変わっていくと思います。