2012年8月17日金曜日


バーチ材続き。

色を冠した木の名前の由来というのは様々です。
例えばブラックチェリーは生じる果実の色。
アカマツは樹皮の色。
パープルハートは木を割った時の心材の色。
わかりやすいですね。
で、バーチ。
アメリカ北東部に産するのがイエローバーチ。
イエローは樹皮から来ているのですが、そのイエローバーチの木を割ったときの白い部分がホワイトバーチで赤い部分はレッドバーチとも呼ばれるそうです。こちらは材色に由来するタイプのネーミングですね。
 アルファベット表記の「WHITE BIRCH」は白樺(シラカバ)のことも意味しますので、ちょっとややこしいのですが、シラカバは家具材料として使われることはほとんどありませんのであまり間違いはありません。

イエローバーチは、日本でこれに相当するのが真樺(マカンバ)だと言われています。
ですので大雑把に言えば家具材料としてのバーチは、赤身を基本除くと、イエローバーチ=ホワイトバーチ(白身)=マカンバという感じでイメージされています。
ふつう真樺(マカンバ)は樺桜(カバザクラ)の名称のほうで知られています。
カバザクラの名称のせいでサクラの一種と勘違いされることがありますがサクラではありません。
有名なところでは北海道民芸家具に使われている材料です。
塗料の吸い込みムラを利用した濃色の着色が特徴ですがマカンバは白くてとても堅い木です。
北海道民芸家具は硬質な材料を気品のあるデザインで仕立てた美しい家具ですね。

当店では北海道産の白樺を無着色のままオイル仕上げした学習机を展示していますが、マカンバと比較するとかなり柔らかい印象です。まあ、その柔らかさがナチュラル感を醸し出しているのかもしれませんが。

写真はバーチ材のチェスト。
ぼんやりとした木目と均質な色合いの中でワンポイントのウォールナットの「契り」が効いています。
前回ご紹介したデスクともども最近人気の樹種ですね。