2012年5月15日火曜日

木の椅子の座り心地の感覚について。
「ぽっこりはまり込む座り心地」が当店で人気がありますと以前ご紹介しましたが、写真手前の椅子なんかもその感覚に近い座り心地です。
居心地の良いコックピット、少し固めな殻に包まれる感覚、なかなかうまく表現できませんが自由度の少ない、それでいて快適な感覚をご想像ください。
こんな感じの座りは、特に小柄な女性の方に好評なようです。

写真の椅子は飛騨産業「プレシェルト」。
この椅子のデザインを特徴づける繊細に細く削り込んだ背もたれのスピンドルにご注目下さい。
この細さが柔らかで、しなやかな背当たりの理由になっているのですが、細いばかりで折れてしまうようなことがあってはいけません。
座面から緩やかなテーパーを辿りながらある部分から急激に細くなる。女性に多い浅く腰掛けた姿勢のちょうど背もたれに当たる部分。小柄な女性の方だとしたら肩甲骨の下の辺り。その部分の細さから逆算して強度を保てるテーパーラインになっているようです。

安易にウレタンクッションに頼らない椅子づくりというのは大変な反面、自然材料としての「木」を上手に加工することで、人と椅子が「馴染む」感覚をより深いものとすることが出来るのではないでしょうか。