2012年9月7日金曜日

以前ご紹介した北海道民芸家具の真樺(マカバ)材の食卓。
再塗装後の写真です。
マカバ特有の斑(ふ)がたくさん出ていましたがこの写真ではわかりませんね。

斑(ふ)というのは柾目板の木目に対し直角方向に顕れる模様で樫やオーク材によく見受けられます。
虎の体側にある黒い線を思い浮かべると分かりやすいかもしれません。
豪快な木味になりますが、今頃は逆に敬遠される場合もあります。

今、「斑(ふ)」と書きましたがマカバの場合、斑(ふ)とは言わないのかもしれません。
栃の木やメープル材にある「照り(てり)」のようにも見えます。
照り(てり)は波のように連続して光を反射する模様のことで、高級感があります。

斑(ふ)にしても照り(てり)にしても木の成長痕である年輪と違って繊維の並び方みたいなものですから顕れたり顕れなかったりします。
昔の人は顕れる方を良しとしてきました。
今はどうなんでしょう。

当店は木の家具のお店を看板にしています。
お客様の大半は木の家具の好きな方だと思います。
そういった中で、木の美的側面である杢や模様、色味の良し悪しを言うことに自制的な若いお客様が増えてきたのは確かです。
木そのものが少なくなっているという環境が大きく影響しているんだろうと想像します。
ただそれにも増して、木に対する感性が従来と変わりつつあるのかなという気はしています。
いろんなことを含めてそれは良い変化なんじゃないかと今のところは思っています。