2013年6月10日月曜日


当店は「シンプルモダンな木の家具のお店」を看板にしていますが、たまにはこんな納品例も。
こちらの商品は店頭には並べておりません。
テレビを乗せる台を探しておられたお客様にカタログをお見せしたところ、ひと目で気に入ってくださいました。
お客様と私どもの感覚がすり合わさった感じですね。
で、お客様の要望に沿って少しばかり仕様を変えて製作いたしました。
カタログ販売で、しかも別注というのは、お客さま以上にお店にとってドキドキものです。
お客様のお宅に納品して、お客様の感想を聞くまで気がゆるめられません。
おかげさまで気に入ってくださったから良かったものの、もしそうでなかったらどうしようかというところです。
まあ、普段の仕事でも薄氷を踏むが如き気持ちでいなくちゃならないんでしょうが。

このTV台?を製作したのは九州、大川の「松岡漆工」さん。
漆工、蒔絵の細工モノでスタートした松岡さんは、かなり以前から和モダン家具のジャンルで独自の地位を築いてこられました。
たとえば写真のように「数寄屋貼り」と呼ばれる大木の年輪を薄くスライスして貼り付ける技法に見られる技術とオリジナリティの高さ。
ちなみに写真の年輪は楠(くす)の木。
前の頃は欅(けやき)の年輪を使ってました。
欅の良材が無くなって楠の木に変更されたそうですが、欅はどちらかと言えば派手な印象がありますので、バブルの頃ならともかく今では楠の木のちょっとくすんだ色合いのほうが今っぽい感じで個人的には好きです。