2014年9月17日水曜日


テレビボードの中に収納したAV機器を外からリモコンで操作するには、ガラスやアクリルなどの赤外線を透す素材を扉部分に使うことが一般的なやり方です。
テレビボードの場合、前面のかなりの面積を異素材が占めることになるので、木の家具らしさを演出するにはちょっと不都合でした。
最近では、同素材の木を使ったルーバーや細いスリットのデザインを扉に施すことで、その解決策とした例も見受けられます。
写真はウォールナットの無垢材のテレビボードですが、真ん中のフラップ扉のガラスに同素材のウォールナットの突き板=木を薄く削いだものを貼ることで、赤外線を透しながら、木の家具らしい雰囲気を壊すことの無いデザインになっています。
写真では突き板の部分が色が薄く見えているようですが、少し壁から離して置いたせいで、もしかしたら裏面の配線孔から入った光が透けて見えているのかもしれません。
機器とテレビの配線が終わって壁に戻せば光が入らなくなって色の薄さは解消するでしょう。

この商品に限っていえば突き板部分の杢目の流れ、色合い、塗膜がとても良い出来あがりで、無垢板の部分と良く調和していました。
光が透けるくらい薄い厚みの木片を、無垢の木の板と違和感なく隣り合わせに出来るテクニックがあるとデザインの幅は結構広がりそうです。
実際、この赤外線透過突き板はあっという間に全国の家具メーカーに広まりましたし、家の造り付けにもよく使われています。
気になるのは経年変化によって突き板の風合いがどんなふうに変わっていくのか、ですね。