2012年6月14日木曜日
写真は宮崎椅子の張り布サンプル。この春入荷の新柄「HOLLY1PLAIN」。
最近こちらの張り布が人気です。
人気の理由はユーズド感かな?。
ちょっと使い込んだ風合いに見えるところがナチュラルな雰囲気を好むお客様に好評を得ているようです。
レーヨン繊維の光沢をゴージャス系でなくレトロな味に仕立てているところがミソかもしれません。
素材の構成は麻54%、レーヨン35%、綿8%、ナイロン3%。
まずは、この数字だけで手ざわりを想像してみてください。
麻の驚くほど意外な「しなやかさ」とレーヨンの「なめらかさ」の混じり合う感触はとても優しく、どこか懐かしい感じがして、それでいて斬新。
そう斬新なのです。椅子生地としては。
これは私が知らないだけのことかもしれませんが、レーヨンの滑らかさや光沢を生かす為の素材の組み合わせはアクリルやポリエステル繊維が大半で、レーヨン+自然素材の組み合わせは正直初めてみました。
実はサンプルが入荷した当初は思わなかったのですが、お客様の「これ良いよ」の声が結構多くなってからやっと気が付いた次第です。
椅子生地にレーヨンが使われる割合は昔はいざ知らず、今では少なくなっているようです。椅子生地の機能性を考えれば、レーヨンに代わる新たな化繊の方が使い便利が良いということなんでしょうか。
2012年6月9日土曜日
写真は東亜林業(株)の「3号椅子」。
古い家具屋さんならピンと来るネーミングですね。
グリーンの合成皮革の方がオリジナルで、オレンジの布張りはこの度張り替えたものです。
東亜林業のホームページを見るとこの椅子は、昭和40年代の大ヒット商品だそうです。
ということは、もしかしたら40年近く経っている可能性もあるわけですがその割に木部も張地もほとんど傷んでいない良好な状態でした。
この「3号椅子」はモダンなシルエットを出す為に背も座もごく薄いクッション材しか使っていません。したがってさほど座り心地が良いということにはなりませんが、おかげで「へたり」が少ない。
40年経っても製造当時そのままの「かっちり」とした見た目でした。
張り素材の合成皮革が伸縮性のほとんどないタイプだったことも影響しているんでしょう。
薄くて硬めのクッション、伸縮しない合皮、それをぱっつんぱっつんに張り込んだ座面の座り心地というのはちょっとプラスティックな印象で、この当時のモダン感覚を表現するのにふさわしいやり方だったのかもしれません。
ちなみにこの「3号椅子」、現在「サンディ」と言う名前でリプロダクトされています。
古い家具屋さんならピンと来るネーミングですね。
グリーンの合成皮革の方がオリジナルで、オレンジの布張りはこの度張り替えたものです。
東亜林業のホームページを見るとこの椅子は、昭和40年代の大ヒット商品だそうです。
ということは、もしかしたら40年近く経っている可能性もあるわけですがその割に木部も張地もほとんど傷んでいない良好な状態でした。
この「3号椅子」はモダンなシルエットを出す為に背も座もごく薄いクッション材しか使っていません。したがってさほど座り心地が良いということにはなりませんが、おかげで「へたり」が少ない。
40年経っても製造当時そのままの「かっちり」とした見た目でした。
張り素材の合成皮革が伸縮性のほとんどないタイプだったことも影響しているんでしょう。
薄くて硬めのクッション、伸縮しない合皮、それをぱっつんぱっつんに張り込んだ座面の座り心地というのはちょっとプラスティックな印象で、この当時のモダン感覚を表現するのにふさわしいやり方だったのかもしれません。
ちなみにこの「3号椅子」、現在「サンディ」と言う名前でリプロダクトされています。
2012年6月3日日曜日
先日、とある展示会場でヨーロピアンビーチの家具を見てきました。
ビーチ、ブナ材ですね。
とてもきれいでした。
ブナの森は世界遺産の白神山地で有名ですが、ここ鳥取県の大山でも見かけられます。
大山中腹の車窓から見るブナ林と大山の景色というのは何度見ても飽きません。木漏れ日が差す林の中を走っていると、時に神秘的な気持ちにさえなります。
以前、飛騨高山近辺の高速道路を走ったときブナの疎林を見かけました。かなり標高の高い処だったんでしょうか、ひょろっと痩せた姿でした。秋の夕方遅く、気温も低くて少し寒々とした印象として記憶に残っています。
高山へはよく行きますが、街中しか知りません。飛騨産業(株)の社史を読むと昔は、手つかずの豊富なブナ林があったそうです。その豊富なブナ材を使って曲げ木椅子の製作が始まったのが大正9年。以来、今日まで椅子のみならず家具製作には欠かせない材料となりました。
前回ご紹介したマルニ木工の食堂椅子の例で見られるように日本では、濃色着色(ブナ材は黒い斑が出る)、椅子材料(多少の反り、狂いを加工技術でカバーできる)という形で適材化したのがブナ材です。
一方で北欧のデザイナーたちが造りだす厳選したブナ材、それこそヨーロピアンビーチをソープフィニッシュで仕上げた椅子、代表的なのがYチェアなのですが、美しい材料としてのブナ材、白木の美しさをそのままに見せるという方法は、日本では家具よりもむしろ子供の玩具、例えば積み木などによく見受けられました。
これは個人的な印象ですが、以前のブナ材の白木仕上げの家具と言うと黄色味がかったイメージがありました。それがせっかく無黄変タイプの塗料が出始めた頃にはブナ材はその地位を、ナラやタモ材に取って代わられていました。そのあたりの詳しい事情についてはよく知りませんが、近年ブナ材の新しい魅力を引出している商品が少しづつ出始めているようです。注目していきたいと思っています。
写真は宮崎椅子製作所「KUKUチェア」。ブナの蜜ろうワックス仕上げ。
こちらの椅子はすでに納品済みで見て頂くことは出来ませんが、ブナ材の椅子は他にも展示しております。ぜひご覧になって下さい。
ビーチ、ブナ材ですね。
とてもきれいでした。
ブナの森は世界遺産の白神山地で有名ですが、ここ鳥取県の大山でも見かけられます。
大山中腹の車窓から見るブナ林と大山の景色というのは何度見ても飽きません。木漏れ日が差す林の中を走っていると、時に神秘的な気持ちにさえなります。
以前、飛騨高山近辺の高速道路を走ったときブナの疎林を見かけました。かなり標高の高い処だったんでしょうか、ひょろっと痩せた姿でした。秋の夕方遅く、気温も低くて少し寒々とした印象として記憶に残っています。
高山へはよく行きますが、街中しか知りません。飛騨産業(株)の社史を読むと昔は、手つかずの豊富なブナ林があったそうです。その豊富なブナ材を使って曲げ木椅子の製作が始まったのが大正9年。以来、今日まで椅子のみならず家具製作には欠かせない材料となりました。
前回ご紹介したマルニ木工の食堂椅子の例で見られるように日本では、濃色着色(ブナ材は黒い斑が出る)、椅子材料(多少の反り、狂いを加工技術でカバーできる)という形で適材化したのがブナ材です。
一方で北欧のデザイナーたちが造りだす厳選したブナ材、それこそヨーロピアンビーチをソープフィニッシュで仕上げた椅子、代表的なのがYチェアなのですが、美しい材料としてのブナ材、白木の美しさをそのままに見せるという方法は、日本では家具よりもむしろ子供の玩具、例えば積み木などによく見受けられました。
これは個人的な印象ですが、以前のブナ材の白木仕上げの家具と言うと黄色味がかったイメージがありました。それがせっかく無黄変タイプの塗料が出始めた頃にはブナ材はその地位を、ナラやタモ材に取って代わられていました。そのあたりの詳しい事情についてはよく知りませんが、近年ブナ材の新しい魅力を引出している商品が少しづつ出始めているようです。注目していきたいと思っています。
写真は宮崎椅子製作所「KUKUチェア」。ブナの蜜ろうワックス仕上げ。
こちらの椅子はすでに納品済みで見て頂くことは出来ませんが、ブナ材の椅子は他にも展示しております。ぜひご覧になって下さい。
2012年6月2日土曜日
ソープフィニッシュ続き。
写真は端材の寄せ集めで作ったスツールの座面。もともとクリアウレタンで仕上げてあったが気に入らず、剥がしてソープで再仕上げしました。
ソープフィニッシュというのは石鹸を木に塗る仕上げ方法です。石鹸を塗って乾燥させて残った脂肪、油分の膜が水気や汚れをはじくというものだそうです。
写真の座面、1番白く見える部分の材料はメープルですが、ソープフィニッシュの特徴である白を白のままに見せるということが良くわかる例になっています。ちなみに2番目に白く見える部分の材料はナラですがその効果はほぼありません。その他の材料、ウォールナットやブラックチェリーなどの濃色材に至ってはむしろシラケた仕上がりになりました。
白木を白く見せるだけなら白色顔料などの混ぜ物を使うほうが、より微妙な色表現が可能ですし耐汚染性は比べ物になりません。
あえてソープフィニッシュにこだわる、というのはよりナチュラルな感覚を求めるということなんでしょう。
前回ご紹介した当店エントランスのパインの取っ手。人の手の触るところであり、直射日光にもよくさらされますので頻繁にお手入れが必要です。面倒だなと思うこともありますがメンテ後の手触りの良さは他の塗装にはない独特なものです。俗に「木の温かみ」と言いますがまさしくそれを感じます。
当店で使っているソープは、まるは油脂化学さんの「WENNEX」。リキッドタイプで使いやすく乾燥も速いです。朝ちょっと早めに塗っておけば開店時間までに乾いてくれますし後始末も簡単です。
ソープフィニッシュと言うと「マルセイユ石鹸」を思い浮かべますが、あのでっかいカステラみたいなサイズに恐れをなして使う気になれませんでした。が、それも昔の話。北の住まい設計社さんのホームページを見てたらなんと小袋入りのフレークタイプが出てました。固形のものより濃厚だそうで、これは使いやすそうですね。
写真は端材の寄せ集めで作ったスツールの座面。もともとクリアウレタンで仕上げてあったが気に入らず、剥がしてソープで再仕上げしました。
ソープフィニッシュというのは石鹸を木に塗る仕上げ方法です。石鹸を塗って乾燥させて残った脂肪、油分の膜が水気や汚れをはじくというものだそうです。
写真の座面、1番白く見える部分の材料はメープルですが、ソープフィニッシュの特徴である白を白のままに見せるということが良くわかる例になっています。ちなみに2番目に白く見える部分の材料はナラですがその効果はほぼありません。その他の材料、ウォールナットやブラックチェリーなどの濃色材に至ってはむしろシラケた仕上がりになりました。
白木を白く見せるだけなら白色顔料などの混ぜ物を使うほうが、より微妙な色表現が可能ですし耐汚染性は比べ物になりません。
あえてソープフィニッシュにこだわる、というのはよりナチュラルな感覚を求めるということなんでしょう。
前回ご紹介した当店エントランスのパインの取っ手。人の手の触るところであり、直射日光にもよくさらされますので頻繁にお手入れが必要です。面倒だなと思うこともありますがメンテ後の手触りの良さは他の塗装にはない独特なものです。俗に「木の温かみ」と言いますがまさしくそれを感じます。
当店で使っているソープは、まるは油脂化学さんの「WENNEX」。リキッドタイプで使いやすく乾燥も速いです。朝ちょっと早めに塗っておけば開店時間までに乾いてくれますし後始末も簡単です。
ソープフィニッシュと言うと「マルセイユ石鹸」を思い浮かべますが、あのでっかいカステラみたいなサイズに恐れをなして使う気になれませんでした。が、それも昔の話。北の住まい設計社さんのホームページを見てたらなんと小袋入りのフレークタイプが出てました。固形のものより濃厚だそうで、これは使いやすそうですね。
当店は「シンプルモダンな木の家具のお店」を看板にしていますが、店舗自体は至って普通の家具屋です。
普通というよりはむしろ、築35年の古ぼけた外観のお店といって良いでしょう。
店内も多年にわたってその場しのぎの改装を繰り返してきた為、つぎはぎだらけの印象です。
35年前当時、どこのお家にもあった玄関横の応接間を飾る暖炉とシャンデリア。
暖炉こそありませんが、あのゴージャス感あふれるシャンデリアは今でも当店の天井を照らしています。
で、その下に並ぶ「シンプルモダンな木の家具」。
キッチュという言葉はこういう状況を指すのかな。
写真は当店のエントランス。
数年前まで花弁模様入りの鋳物製のクラシカルな2個の取っ手がお客様をお迎えしていましたが、変えました。
30ミリ厚のパイン集成材。
直径240ミリ丸はガラスドアの大きさに対して1個で充分だったのですが、穴隠しのためもう1個つけました。くどいけど仕方ない。
パインだと舐めて掛かったら4個作り終える頃にはトリマーの刃が焼け付いていました。それでも材料代プラス刃物代だけで済んだので良かったです。
塗装はソープフィニッシュ。
ソープフィニッシュについてご紹介したいと思いながら前置きが長すぎました。
続きは次回へ。
普通というよりはむしろ、築35年の古ぼけた外観のお店といって良いでしょう。
店内も多年にわたってその場しのぎの改装を繰り返してきた為、つぎはぎだらけの印象です。
35年前当時、どこのお家にもあった玄関横の応接間を飾る暖炉とシャンデリア。
暖炉こそありませんが、あのゴージャス感あふれるシャンデリアは今でも当店の天井を照らしています。
で、その下に並ぶ「シンプルモダンな木の家具」。
キッチュという言葉はこういう状況を指すのかな。
写真は当店のエントランス。
数年前まで花弁模様入りの鋳物製のクラシカルな2個の取っ手がお客様をお迎えしていましたが、変えました。
30ミリ厚のパイン集成材。
直径240ミリ丸はガラスドアの大きさに対して1個で充分だったのですが、穴隠しのためもう1個つけました。くどいけど仕方ない。
パインだと舐めて掛かったら4個作り終える頃にはトリマーの刃が焼け付いていました。それでも材料代プラス刃物代だけで済んだので良かったです。
塗装はソープフィニッシュ。
ソープフィニッシュについてご紹介したいと思いながら前置きが長すぎました。
続きは次回へ。
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